気付けば朝だった
気付けば朝だった
薄汚れた新宿の路地の裏では
くたびれたホームレスが寝そべってやがる
気付けば朝だった
何かを追いかけてここまできたのに
逃げてんじゃねーよとみんながつぶやく
気付けば朝だった
海の中を彷徨っていたら
馬の嘶(いなな)きが頭を叩いた
気付けば朝だった
夜更かしを辞めないフリーターが
睡眠薬を窓から投げた
気付けば朝だった
夜更け過ぎから降った雨は
汚い世界を霧で包んでくれた
気付けば朝だった
太陽の光に手を伸ばしたら
お前の顔もただれちまった