イオリンの何か

詩のような

みんなの背中も見えなくなったけど

子供のころ毎日歩く坂道の上には 小さな花が咲いていた 1日の始まりを歓迎してくれるようで 僕はその花を人知れず愛していた 今日はなんだか機嫌が悪くって 君からのメールを返さなかった 優しい言葉の裏になぜか 鋭いトゲがあるような気がした 窓から差した綺麗な夕日の赤が 下校途中の子どもの笑い声が 僕の心をなぜか急かすんだ もうこんな時間だって もうこんな時間だって 年月が経てば経つほどに 時間は目に追えないほど早くって 立ち止まって一息ついただけなのに みんなの背中があんなにも遠い 急がなきゃ 急がなきゃ 急がなきゃ うるさいよ 子供のころ毎日歩いた坂道の上には 小さな花が咲いている 懐かしくなってもう一度坂道を登った その花は今でも変わらずにそのままに 僕はなんだかばつが悪くなって 君からのメールに返事をした ごめんなさいって返事をした 年月が経てば経つほどに 時間は目に見えないほど早くって みんなの背中も見えなくなったけど 立ち止まって君に言うんだよ もうちょっと もうちょっと もうちょっと ゆっくり しようよ
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