イオリンの何か

詩のような

嘘のような夏

長い梅雨が明けて晴れの日が続いている いつもは熱気に溢れている夏も 今年はどこか淀んでいる 止まる気もないし止める気もないし止められないし それでも止まれと言われている 赤信号みんなで渡れば怖くない どうせ人は死んでいる どうせ戦争で死んでいる どうせ避妊で死んでいる ジメッとしている日本の夏 非常階段でセミが仰向けで寝ていた 明くる日には死んでいた 空は今日も青い 淀んだ梅雨の日々が嘘のよう 淀んだあの日々が嘘のよう
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