イオリンの雑記

雑文の塊。

人間だけが

蛙が車に下半身を潰されて死んでいた。 上半身があまりにも堂々としていたので、死んでいるとは思わなかった。 きっとこの上半身も潰されるかカラスに食われるかするんだろう。 こうも威風堂々とした命を車で簡単に踏み潰している人間が、人間だけが歪だ。いつも思う。 本気で生死を生き抜いていない人間が、なぜ蛙を踏み潰しているんだ。そこにはある種の怒りさえ感じる。 とはいえ俺もそこにあやかっている人間の1人だから。せめて敬意だけは忘れないでおこうと思う。 あの蛙を俺は忘れない。
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