イオリンの何か

詩のような

ツクツクホーシ

てんとう虫が羽を広げて 行ってきますの合図 手に弁当箱を引っ提げている 誰もいない畳の部屋で目を覚ました 前髪の長い少年 うっすら窓が空いていたみたいで カーテンが静かに揺れている 波のようにゆらゆらと 道端では政治家が街頭演説 セミがその声を打ち消して 聞いている人は誰もいない 伝わる言葉はツクツクホーシ ただそう聞こえているだけだけれど ツクツクホーシ ツクツクホーシ
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