イオリンの何か

詩のような

夏と冬の中間じゃない

木々が春色に頬を染めて 花びらが門出を祝ってくれる 動物は土から出てきて 暖かい空を飛び交う 風は暖かく吹きすさび 僕らの身体を洗ってくれる 春は冬と夏の中間じゃない 太陽が優しく微笑んでいる 僕らはまた一歩階段を上り 誰かと強く手を握るんだ ああ 春は冬と夏の中間じゃない やがて木々は紅に染まり 空も大地も灰に落ちる 熱気を帯びた季節が終わり 冷えた雨が僕らを湿らす 風は鋭さを増してどこか痛い 静かにモノクロがやってくる 秋は夏と冬の中間じゃない 吹き荒ぶ風はどこか悲しく いつの間にか温もりは通り過ぎ 僕らはどこか切なくなるんだ ああ 秋は夏と冬の中間じゃない
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