イオリンの何か

詩のような

パパ

あるなんでもない夜に あなたが逝ったと報せを受けた ああ きっとそろそろかな ずっとそう思っていたから その時が来たというだけ ここ最近のあなたはどこか いつも見ていたあなたではないようで その魂をぽろぽろと落としていった その朽ちていく魂の箱を見ながら僕は もうずっと覚悟を決めていたんだ いずれバスが走り去るように いずれ太陽が去り落ちるように いくらも流れ行く思い出の中に あなたも流れ行っただけ ねえ パパ あなたと語り明かしたのは たぶんあのなんでもない夜だけ それでもあなたのくれた魂を 僕はこれからも持っていきます 僕の胸の中に浮かぶあなたの姿は いつまでも僕のパパです
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