計画
確かアメリカの軍人さんの言葉だったと思うんだけれど、曰く「計画なんてものはその通りにいかないものなんだ」と。軍事行動において綿密な計画を必死に立てるけれど、それらのほとんどは、実際の作戦行動においてその計画通りに動くことなんてない。だって敵の出方次第だからだ。事前に必死に情報を集めても、実際の作戦行動において「こんなところにこんなにも兵力があるなんて」とか「実は援軍がきていた」とかが起こるわけだ。だから、計画通りに行くことはないんだよ、と。でも、だからといって計画を立てることが無意味かというとそうじゃなくって、計画を立てるには、否応なく細部まで検討する必要が出てくる。計画を立てる意味とはつまりそれだと言うんだ。
この話は「だから計画を立てるだけじゃなくて、計画が破綻しても各々が動けるような【意図】を示さなきゃいけないんだよ」ということなんだけれど、まぁ今日話したいのはそっちじゃなくて、「計画が大事なのは成果物じゃなくてプロセス」という点でね。僕は普段の生活でもあんまり計画通りに動くことはやらないんだけれど、それでも何か用事がある時はある程度計画するし、仕事だったら多分綿密な計画を立てる。でも、それをするのは計画通りに動くためじゃなくって。想定外のことが起きた時に役立つのが「計画を立てるプロセスで考えたこと」だったりするんだよ。例えば離島に旅行にいこうと思った時に、その移動手段をフェリーにしようと決めていた、とするでしょう。で、実際に当日の朝になると、波が荒れていて船が休航になっていた。この時、事前に計画を立てていたら「計画する時には捨てたけど、飛行機っていう手段があるな」っていう判断がその場ですぐにできる。
つまり、「行き当たりばったり」ってのは、むしろしっかりと計画を立てた人のほうが強かったりするってことで。一方で「計画を立てるのはプロセスのためだ」っていうのをはじめっから念頭に置いちゃうと、それは杜撰な計画になっちゃう。プロセスが大事だからこそ結果をちゃんと求めて動かなきゃいけない。そしてその上でその成果物をいつでも捨てられるような心持ちでいる。ある種のダブルスタンダードな考え方が功を奏する場面もある。
と、いうのを考えながら、しばらく見ないようにしていたおかげで溜まっているお仕事のタスクチケットを掃除しています。無駄じゃない、無駄じゃない。