優しさ
いわゆる社会人というやつになってしばらく経ってから、イオリンさんは大人しいですねと言われるようになった。優しいですねとも言われるようになった。これを大学時代からの友人が聞いたらきっと笑うだろうし、もっと前の小中学生のころの僕を知っている人たちはもっと笑い転げるだろう。あの暴れん坊イオリンが?と。
まぁわかりやすく、昔は自意識が強くて精神年齢が低かったとは思う。まぁそれは今でもあんまり変わりないかも、とも思うけれど、昔はもっと誰かに何かを働きかけようという意識が強かったと思う。「僕が僕が」していた。それがなくなったのはひとつあるよね。「この僕の優しさを、受け取れーい」っていうのがあったんじゃないかな。それは優しくはないよね。今は「まぁここに置いておきますよ」くらい。
だから僕としては「優しい行動が増えた」わけじゃなくてむしろ減ってるんだけれど、傍から見ると「お、こんなちょうどいいところに優しさが転がってるワ」と。それに気付いた時に「優しいですね」になるのかな。なんだか書き終わったタイミングで恥ずかしい分析をしていることに気付いたけれど、こういうのを恥ずかしがらずにやるのも、何かの一助だと信じる。