巡る新しさ
最近、Kinki Kidsさんの楽曲がサブスクリプションサービスで配信されたから聞いている。僕には姉がいて、幼少期の姉はKinki Kidsが大好きだったから、それに影響されて僕も好きだった。「硝子の少年」「FLOWER」「僕の背中には羽根がある」あたりはよく聞いていた。とはいえ幼少期を過ぎればちゃんと聞くことはなくなっていた。しっかり聞いていたのはまだパソコンを手にいれる前だし、ましてやiTunesなんて影も形もない時代だった。だから、サブスクでついに配信された時は思わず飛び付いちゃった。
でね、最初は郷愁といったものを味わっていたんだよ。それぞれの楽曲が思い出を伴っていて、あの時代、ブラウン管にかじりついていた幼少期の思い出が質感を伴ってくる。昔を懐かしむって立派な娯楽だよなと思ったよ。ちょっとした映画に近い感覚を、当事者意識を100%持って体験できるんだからね、と。
でもね、聞いていると徐々にその楽しみ方も変わって、「一周まわって新しい楽曲だな」と思えてきて。そもそも僕はこれらの楽曲としっかり向き合って聞いたことはほとんどなかったんだよ。僕が音楽を好きになるよりも前の月日に聞いていたし、そもそも文化に対する造詣が浅かったから、ちゃんと噛み砕いてなかった。でも今36にもなって改めて聞くと、新しいんだよ。ここまでどストレートに言葉に、あるいはメロディに表す楽曲があったかと。それが、今の時代に聞くとすごい新鮮で。
なんか10年くらい前に「新しい旋律はもう生まれない。世の中に溢れ過ぎたから」みたいな話があった気がするんだけど、それは音楽としては何も問題はなかったんだね。だって巡るんだもの。