風化
時が解決する、ってのはなかなか残酷な言葉だなと僕は思っている。大抵の場合、時が行うのは解決じゃなくて風化で、そこの認識は区別しとかないといけないよね、と思う。もちろん本当に解決してしまうこともなくはないけれど、ほとんどの場合は風化しただけで条件が揃えばまた問題になってしまう。
もちろん、解決のしようがないから「風化させるしかないじゃない」っていう場合もあるよな。僕も、ある種の人生の一大事とも言えることはこれまで何度かあって。何やってもダメで、どうしようもなくなって、でもそうやっているうちに問題のほうが風化して、結果的に過ぎていったことがある。でもそれだって風化させただけでその痕は残り続ける。決して解決じゃないんだ、それは。
まぁその痕の疼きを噛み締めながら過ごす夜も、決して悪いことばかりじゃないし、それでしか味わえない感覚もあるけれどね。とはいえ、あくまでそれは風化なんだという感覚は持っておきたいよ。そういう意味では「解決」ってのは鮮度が大事なんだろうな。お仕事的な意味合いでも、あるいは感情的な意味合いでもね。