人間って愛おしい
僕の人生の中で印象深いレジ打ちの店員さんが2人いる。1人は大学生時代のミドリ電気さんの店員のお姉さん。もう1人は藤沢に住んでいたころのドン・キホーテにいた店員さんのお姉さん。
ミドリ電気のお姉さんは1回しか見たことなかったんだけど、その1回の出来事が印象的で。たしかゲームを買った時だと思うんだけどね。普通に丁寧にレジ打ちをしていただいて、最後にレシートを手渡される時に、滑ってスルリと手から抜け落ちたのよ。で、それを僕が机に落ちる前にパッとつかんだら、そのお姉さんが「すいません、ナイスキャッチで!」って言って。そのナイスキャッチで!がすごい人間味があって、良いなあ、って思ったの。そんなことを店員さんに言われることがなくって、さっきまでの機械的なレジ作業をしていたとは思えないほど、人間だった。それが今でも記憶に残っている。
もう1人のドン・キホーテの店員さんのほうは全然タイプが違って、シンプルにレジ打ち作業が異常に速かった。商品を次々とつかんでバーコードを読み込む速度も然る事ながら、「○○が1点」「○○円引きになります」とかを言う速度もすんごく早口で、それでいて滑舌も完璧。それは機械的に仕事をこなしていたら絶対に到達できない領域で不断の努力を感じさせた。効率を求めすぎると機械的になるように思うけど、それすらを超えると愛おしいほど人間になるんだ。
この2名は全く違うけれど、どちらも愛おしいんだよ。人間って愛おしい。その人が人間であること、その意味がちゃんと出ている。僕もそうありたいな、と思う。