気付かない気配り
今ね、目の前の窓のすぐ外の電線にね、小鳥が4羽たたずんでいてね。多分ツバメかな。どこにもいかずにもうずーっとそこにいて。で、眺めていたら1羽の、多分同じ1羽だと思うんだけれど、別の鳥が飛んできてはちょっと戯れて去っていく・・・というのを繰り返していて。で、最初は「なんかちょっかいかけてんのかな」と思ったけれどアレ、多分餌付けしてるんだね。
そういえばちょっと前まで、いろんな場所にツバメの巣があって、そこで子育てをしているツバメをよく見かけた。多分そこから巣立ってすぐなんだろうね。まだ自分たちで餌は取れないから、親鳥から餌をいただいているんだろうな。その営みをすごい特等席で見せてもらっている。
もっとよく見たいなあと思って窓を開けようかと思うんだけど手が止まる。きっと多分、今この状態だから彼らは怖がらずにあの電線の上にいるわけで、きっと僕が窓を開けたら、あるいは開けようとする物音だけで怖がってどこかへ行くかもしれない。そしたらきっと、親鳥は困るだろうし、きっと僕に怒るよね。「なんだあの人間、ウチの子をビビらせて迷子にさせやがって」って。それは僕もイヤだなあ、嫌われたくないなあ、と思っている。眺めるのを許してくれているだけで十分だな、と。
そういう思いやり・・・っていうと恩着せがましいけど、心配りというかなんというか、そういうものはきっと僕も受けていて。もしかしたらこの世界は箱庭で、外にいる神様が「こいつは楽しんでるし放っておいてやろう」って思ってそっとしているのかもしれない。