イオリンの手紙

瓶詰めの紙切れ

切り離してはいけない場所

主語を大きくしたくはないんだけれど、IT業界って分業化が進んでいる業界だと思うのね。何かを作るときに「設計をする人」「設計通りに作る人」「製品テストをする人」とかが分かれていることはとても多くて、その中でも、「この部分を作る人」「この部分を設計する人」と製品の部分・機能によって細分化されている。まぁそれは、IT業界における製品がどうしても肥大化しがちというのはあると思うんだけどね。 でも、分業化ってそんなに思ったように上手くいっていないというか、コツが結構あるんじゃないかなあと思う。分業化の是非じゃなくて、例えば映画製作において「カメラで撮る人」と「音楽を作る人」が分業されているのは至極当然だけれど、ある別々のシーンにおいて「メガホン取っている人が違う」ってのはそれ、よっぽど気をつけないと分業として上手くいかないよね、と。主人公とヒロインが出会うシーンとデートするシーンでメガホン取っている人が違ったらつじつま合わせにも一苦労するよきっと。 つまりAとBは一見して違うけれども裏では繋がっているから切り離せないよね、みたいなところを分けちゃうと、そこを繋ぐためのお仕事がすごい増える。「出会いのシーンでこういうプレゼントをしました」みたいな資料を用意しなきゃいけなくなっちゃう。そうなるとメガホン取る人を分けちゃいけないよね。分けるなら相当機微がわかるくらいに関係性持って普段から会話しとかなきゃいけないよね、と。 一方で、こういう部分を見て「だから分業はすべきじゃなーい」って言うのもそれは違くて。まぁしっかと見て見極めましょうという、なんでもないハナシに落ち着くんだけれどね。案外となんでもないハナシを迂回するから絡まるものなんだろうなと思う。偉そうなことを言っているけれど、僕も失敗だらけだ。
前へ
一覧
後へ