忘れちゃった
この日の分の手紙を書くのを忘れてしまった。僕は本当に忘れっぽいんだ。気付いたのが翌日の朝でどう足掻いても挽回できないから仕方なく翌日に書いている。
さてもこの日は書く文が悉く理屈っぽくなっていた。それが悪い気分ではなく、むしろ理屈っぽいところから届く場所もあるだろうと思って書いていたけれど、届くことができないまま筆を置いてしまっていた。「理屈」っていうのはいわゆる「感覚」とはなんだか切り離された領域にあるように見えるけれど、実はそれらに区別なんてなくて、理屈からくる感覚というのもあるし、感覚だって理屈に含まれたりもする。
旧い友人に「イオリンは論理性と感受性を同居させているのが特異な点だ」ということを言われたことがある。それはきっと、論理が求められている場面で感受性を使って答えを出したり、逆に感受性が求められそうなところを論理であたってみせたりするからだろう。「証明できないことと存在しないことはイコールじゃない」みたいな、直感的な部分について理屈っぽい言葉で輪郭を象ることもできる。
そんなようなことを書きながら、とはいえ曖昧なまま寝かしていたら忘れちゃったというハナシ。