本当はあなたがやるのよ
少し前に、糸井重里さんが「おまえがやるんだよ」という話題をしていた。あの文章を保存しておけばよかった、と思うけれど、糸井さんが「毎日消えるもの」としているモノを冷凍保存するのは気が引けるので、保存しておかなくてよかった、とも思う。代わりに忘れないように、自分の中の経験として落とし込みたい。なので今から書くことは「また聞き」でしかないと思ってほしい。
社内で何か企画があって、そこに対してアイデアが浮かんだ時に、彼は嬉しいし喜んでそれを企画メンバーに提供する。それは決して悪いことではないんだけれど、「糸井重里がいたから何とかなった」というのは決して望ましいことじゃない、と。本当は企画メンバーであるおまえがやるんだよ、というハナシだったと思う。アイデアの出し惜しみはしないけれど、おまえがやることなんだよ、本当のところは、と。
何かをやるなら、こういうハナシは無視できないよなあ、と思う。なんだったらお仕事に限らないよ。朝のゴミだし担当を夫がやるモノと決めていたとして、でも夫が多忙だから忘れていて、嫁さんが代わりにやった時。「本当はあなたがやるのよ。今回はオマケよ」というのは伝えなきゃ、多忙にかまけてゴミだししなくなっちゃうかもしれない。
「出し惜しみしない」ってのも良いハナシのポイントだなあと思う。いつまでも「ゴミだしはあなたの仕事よね?」と待ちかまえられてるのも嫌みったらしくてイヤだよね。嫁さんも夫が忙しいのが分かった上で、その助けになることは喜んでやる。それでもなお、「本当はあなたがやるのよ」という意識があることが大事。
もちろん、一番は、嫁さんが「本当はあなたがやるのよ」なんて言わなくても夫が「あぁごめん、僕がやるべきだったのにね。代わりにケーキ買ってくるよ」とか、あるいは「ごめん、今朝ちょっと忙しくて、ゴミだしお願いできる?代わりに夜飯は僕がつくるよ」って言い出すことだと思うけどね。それのほうがお互い楽しいからね。