一番楽しい時
「ちはやふる」の実写映画が好きでね。もう若干うろ覚えなんだけど、劇中で誰かがスランプか何かに陥った時に、おじいちゃんが言う言葉がある。「かるたが一番楽しかったのはいつやった?」僕はほんと、創作から何かを得て、それを大事に持ち続けるのが好きだなあ。
さても、僕が一番楽しかったのはいつだろう、とふと考える。主題を「僕」に据えて。それはきっと、今日のような緩やかな雨の日に傘をさしながら歩き、道端にいるカエルが車にひかれないように端っこにおいやって、「元気でな」と声をかける。きっとそういう瞬間だろうね。
僕は映画やゲーム、本などの人間文明的な娯楽を日常的に楽しんでいるけれど、それらはじゃあ「一番かい?」と聞かれると一番ではない。一番はもっと、ちょうどいい長さの木の棒を持っている時とかなんだ。自分の身体性に集約されていく時。吸った息が、身体を通して地面へ流れていく時。あるいは吐いた息がそのまま空へ飛び立つ時。
今週末はバーベキューに誘われている。ちょうどよく晴れているといいなあ。バーベキューとかも、一番楽しいのは話している時じゃなくって、それ全体が流れている時なんだよな。飲み会とかもそう。