イオリンの手紙

瓶詰めの紙切れ

友だちのオススメの

僕はたまに旅をする。長野の山間にすんでいて、30分も運転すれば中山道六十九次の宿場街道に出られることもあってさ。須原宿とか馬籠宿とかね。そうやって旅をするのだけれど、そりゃあ良い旅でね。特別なことは何もしないのだけれど、運転しているだけでものんびりだし、宿の周りを散歩するだけでも楽しいのさ。 そうすると僕の中で「これをみんなにも味わって欲しいなあ」という気持ちが芽生える。友人知人たちがここに来て、同じように歩いて、同じように、あるいは彼ら彼女らなりに受けとるものを受けとって欲しいなあ、という気持ちが芽生えるのさ。映画をオススメするように、旅をオススメしたい。友人知人に限らず、なんだったら吉祥寺のマルイの前で深夜に倒れている兄ちゃんにもオススメしたい。ここで寝るのもいいけれど、山の中で寝るのもいいぞ、と。君の好きな缶チューハイを持ってきてもいいから、と。 それを少しうまく組み上げれば、「ツアー旅行」というやつのできあがりなのかもしれない。パック旅行とは別の、「誰かがお届けしたいと思った旅行を、実際にお届けする」ツアー旅行。そういうツアー旅行があったらプロデュースしてみたいし、他の知人友人がプロデュースした旅行を楽しみたいよね。 別に地元を紹介したいとかもあっていいし、全く関係なく「ヨーロッパ一周旅行」とかでもいい。それを旅行のプロがプロデュースしたツアーでいくのもいいけれど、知っている人がプロデュースしていたら、おもしろいよねえ。 旅行に限らず「休日の過ごし方」とか「金曜夜の過ごし方」とかがあってもいいね。
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