イオリンの手紙

瓶詰めの紙切れ

大したこと

たまに「XXをやってもらわないと困る」みたいなハナシがあがる。さてもその時、僕は思う。「困ることは悪いことなのか」って。「困ったことになるぞーー」って頭をかかえて、なんとかしなきゃってアタフタしちゃうけれど、実はそんなに悪いことじゃないことも多いように思う。案外「一旦、無視して寝るか」ってしても全く問題ないレベルの「困った」なんだよ。 そういえば友人が最近、歯が痛み出して、そのせいで寝れなくって、とっても困っている。これは本当に困るよね。痛いんだし眠れないんだし、本当にツライ。困る。それに比べて、僕らが普段遭っているほとんどの「困った」はなんと小さいことか。ほんとどうでもいい。歯が痛いほうがずっと大事(おおごと)だよな。 逆もそうでさ。なんだか社会で生きていると大層なことをしているような錯覚に陥りやすいけど、僕らがやっているお仕事やら何やらのほとんどの功績は「虫歯を完全治療する」には敵わないのさ。 でもそれは「だから仕事なんてテキトーにやれ」ってことでもなくてね。一旦そうやって「大したことないよな、自分も含めて」ということを認めることが、真摯に向き合うために必要な儀式だと思う。虫歯をおざなりにして仕事に向き合っても、良い仕事なんてできないものさ。逆に虫歯にも真摯に向き合うことで、お仕事もおろそかにならなかったりするのさ。きっと。
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