千夜千冊
最近は特に松岡正剛さんの千夜千冊を読みあさっている。少し前は糸井重里さんおよびほぼ日のコンテンツで、それは今も楽しんでいるけれど、今は松岡正剛さんの難解がゆえに描かれる世界・輪郭がとにかく楽しい。それに影響されて僕の文章もお堅くなるわけで、わかりやすい、節操のない性格だなあと思う。
松岡正剛さんの文章を読んでいると、わりかし痛烈な批評めいたものにも出合う。それがまぁ、現代の冷笑文化とは全く質の異なる、いわゆる「教養からくる批評」なわけで、それが心地よい。「デザインの小さな哲学(1520夜)」において現代の多くのデザイナーを「おめでたい」と評する辺りは、なんとも気品のある批判だなと思った。僕もデザインを学んだ端くれとして「ほんまにな」とも思うけれど、僕が書いてもこうはならんだろうしね。
そもそもの出合いが落合陽一さんとの対談における「日本人は勤勉のふりをしている」という動画で、それがまぁ見事に僕の中にある違和感を言い当てていることに加えて、そこの言説に至るまでの「そもそも"稼ぎ"と"務め"は別であったのが、今は一緒くたにした上で一様化しようとしており、それらは近代日本が勝手に作り上げている勤勉さである」というのが、実に気品があって色っぽさを感じる、そんな言説でね。
この体験が、まぁ批判だけでなく礼賛も含めて、実にうっとりしちゃうような文章を書いているし、そしてこういうと高慢チキだけど、この文章を楽しめるというのは、きっと文章なのか、文学なのか、学問なのか、まぁなんかしらにそこそこ親しんでいなかったらできなかったんだろうなあ、という実感もある。
まぁそんなことを言いながら、節操なくまた親しみやすい文章にまた返っていくのだろうけれどね。