イオリンの手紙

瓶詰めの紙切れ

冬の「静」

正月を過ぎた辺りから冬が本格化する。12月あたりは、冬はきらびやかな印象を持ってくるけれど、冬の本性は「静」だ。 ホリデーシーズンを終えた辺りに寒さが本格化して、いよいよお外にルンルンで出かける熱気を根こそぎ奪ってくる。最後の力を振り絞って成人式で暴れてはみるものの、そっから先の催事は静かなものだ。成人式も、暴れるのは若気がある人たちだけで、基本は静だね。 僕は冬が好きだけど、その中でもこの「静」の部分のほうが好きだ。音も消える。空は澄んでいてノイズがない。実に「静」だ。 雪国に住んでいる人たちはまた違うのだろうけどね。僕は奈良の盆地生まれで、それはそれは雪も降らない、降ったとしてもチラチラだから、雪は「静」だけれど、猛吹雪はぜんぜん「静」じゃないもんね。でも、猛吹雪から避難して室内でぬくぬくしているのは「静」じゃないかね。 外がただでは生きていけない環境になるのも、なんとも僕好みだ。そんな外を歩くだけで生を実感できるし、部屋に戻ってコタツでぬくぬくと白湯を飲むだけで、生きていた甲斐があったと思える。 そういえば先日、スタバの店員さんに「寒さに強いんですか?」と聞かれた。冬も変わらず歩いて来ているから気になったそうで。いや、寒くはあるんだよ。寒くて厳しいなあと思いながら歩いているんだよ。でもその厳しさが好きなんだな。
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