勝つことより、勝ったあと、どうするか
「センゴク」というマンガの中で、印象に残っているシーンがある。ある戦国大名が日本随一の傭兵集団を雇おうと交渉している際において、傭兵のほうが「勝つことじゃなくて、勝った後に何をするのか、どういう国をつくるのか」と聞く。聞かれた大名が、こう答える。
「そらおまえさん、童が鉄砲を捨て、独楽で遊ぶ国やがな。」
このシーンがすごい好きで、何度も思い出す。こうやってマンガから得たエッセンスの数々が、今の僕の大きな部分を担っているのだろうと思う。
生きていると、さまざまな戦いというか、決断と、そこに至るまでのガンバリがある。生活費を稼ぐことだってそうだし、野球で日本代表になったり、行きたい大学を目指したり、英語を話せるようになったり。そういった目標に対してさまざまな越えるべき山がある。
その際に肝要なのは「勝つこと」より「勝ったあと、どうするか」が肝要なのだけれど、往々にしてその勝負が厳しければ厳しいほど、「勝つこと」に目を奪われがちになる。そしていつしか、「勝ったあと、どうするか」がすっぽ抜けてしまう。
このシーンはそれだけじゃなくて、大名のほうが「豊かな国」みたいなふんわりしたことじゃなくて、「童が鉄砲を捨てて独楽で遊ぶ国」という明確なイメージを伝えてくることだ。このメッセージ一つで「いいね、それ」となるし、額縁に飾っておけば初心にすぐに帰れる。
僕もたまに思い耽る。「勝ったあと、どうするか」。僕はどんな世界を引き寄せたいんだろう。きっと「人並みの幸せ」っていう、今は使われなくなった単語にヒントがある。