手垢がつく言葉、つかない言葉
言葉の意味合いというものは、時代によって移り変わるものだ。それが故に、「前は効果的だった言葉が、今はそうじゃない」というモノは多い。
たとえば「ナラティブ」って言葉は日本語にすると「物語性」といったふうであり、それはなかなかに使いやすい言葉だったけれど、昨今はビジネスの場で使われすぎててちょっと、手垢がついてしまった。ナラティブというと「ははっ、ナラティブ?またマーケ用語かい」といった余計な意味合いが含まれてしまう。
僕は仕事の肩書きに「Operation」というものが入っている。これは僕自身は「運用」という意味合いでしか使っていないのだけれど、DevOpsとかその辺りの文脈がついたせいで、IT界隈や英語圏では「インフラ運用屋」みたいな意味合いが強くなってしまっている。僕は究極、ブランディングとかも「運用だよね」と思っているのだけれど、その意味合いで「Operation」は使えない。
思えば世界共用語(リングワ・フランカ)というものは、言葉に手垢がつきやすいものだよな。日本語がある僕らは恵まれている。たとえば「もったいない」や「いじめ」はそのまま英語に持っていかれはしたが、あまり手垢がついていない。
「難しい言葉」「使いづらい言葉」ってのは転じてわかりやすい言葉でもある。「いとをかし」なんて千年以上、その立ち位置を維持している。理解するのは難しいが、その分、とてもよく表している。