イオリンの手紙

瓶詰めの紙切れ

うまい!

煉獄さんほどではないにしろ、僕はご飯を食べる時に「うまい!」とよく声に出す。あまりに出しすぎるとやかましいから抑えるのだけれど、その代わりに心の中で「うまい!」と言っている。先日、友人と通話している間にご飯を食べていたのだけれど、つい話の途中でさえ「うまい!」と言ってしまっていた。 僕は特段、ご飯にこだわりがあるわけじゃない。普段の食事はおおよそ、「身体に良いか」に比重を置いている。嗜好品としてチョコレートを食べるけれど、それもやりすぎると体調を崩すので最近は控え気味だ。そして新しいお店を探索したりしないし、旅先でも「見つけたお店に入る」くらいで熱心に調べない。 とはいえ、ご飯に興味がないわけではなく、多分求めている体験が違うのだろうと思う。先ごろ「うまい!」と口に出たという通話中のご飯は、ただ野菜と鶏肉を水とぶち込んで煮ただけのものだ。そこにお塩を少々味付けただけで、もう、うまい!のだ。僕にとっては。 もちろん、外食もうまい。だから誰かに連れられていく外食なんてとっても嬉しい。僕の人生では訪れることがなかっただろうお店に連れていっていただけて、うまい!のだから。でも、これに慣れてしまうと、煮たニンジンの素材自体を「うまい!」と思えなくなってしまう。それは気をつけないといけない。 これもまあ、只、足るを知る、ってやつかもね。
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