イオリンの手紙

瓶詰めの紙切れ

壁よりもカーテン

「壁」ってのは、なかなかに厄介なものよなあ、と最近は思う。比喩ではなく、物体的な壁の話だ。壁に囲まれた空間というものは、守られている気はするものの、その実、どうにも流れが良くない。壁に隔たれていようとも、実はひと繋がりの空間なのだが、壁ってやつはあまりにも視覚的に分断していて、流れを止まらせる。 最近、僕はたまに場づくりのことを考えている。どうにも現代における「場」ってのは流れが悪い。それは家だったり会議室だったり仕事場だったり。最近は喫茶店なんかもそうだね。タバコの規制が厳しくなったり、エアコンの普及でドアを開け放せないのは仕方がないが、どうにも流れが悪い。 自分なりにまあ居心地の良い場を考えると、お寺や古民家のような、壁ではなく柱に囲まれた空間を思い浮かべる。あるいは大きな窓でもいいが、まあでかいガラスをつけるくらいなら取っ払った方がいい。そのうえで簾や葦簀(よしず)、あるいは御簾をかけるくらいでいいのだ。そういうカーテンくらいで区切るのがちょうどいい。 おそらく僕が感じるキャンプの気持ちよさには、壁がないことが大きいと思う。テントは壁というにはあまりに心許なくて、カーテンで囲っているに過ぎない。それが流れの悪さをある程度解消しているのだと思う。だから気持ちが良い。 もちろん、壁に囲まれた空間は防衛や防音などにはとても便利なのだけれどね。現代は人が多いくて距離感が近いから、壁でもないとやってられないのもわかるけれども。
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