イオリンの手紙

瓶詰めの紙切れ

三日会わざれば刮目して見よ

ここ最近、僕は入院していた。4日間、外界から閉ざされた、ベッド2つ分ほどしかないスペースの中で僕は生活していた。そして退院して外に出ると、すっかり外は夏で、うだるような晴れだった。 「男子、三日会わざれば刮目して見よ」という言葉もあるが、そもそも世界自体がそうだ。三日もあれば全てが移り変わっている。三日もあれば世界は自分の知るモノではなくなるのだ。自分の住むマンションに帰れば、とても大きな虫が2、3匹うろついていた。実に夏らしく、入院前の世界にはまだいなかった者達だ。 まあ僕が自然豊かな土地に住んでいるせいもあるかもしれない。人工物の多くは「変わらないこと」に価値がある。コンクリートも鉄筋も、朽ちないことが条件のようなものだから、コンクリートジャングルではこういう感覚は薄いのかもしれない。僕はちょっと思い出せないけれど。 いつも見ていた川も、空を飛んでいるトンビも、なんだか知らない身姿となっている。今から仕事に復帰してみるけれど、それもきっと様変わりしているのだろうと思う。きっとね。「装い新たに」ってやつは、三日放置すれば出てくるんだろう。 それが自然のダイナミクスであり、人間も所詮は自然なので、人間それ自体もそのダイナミクスの中にいるのだ。
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