イオリンの手紙

瓶詰めの紙切れ

反転的チューリングテスト

チューリングテストという概念がある。80年ほど前のアラン・チューリングさんが考えたとされる、AIの「知性」に関するテストだ。簡単に言えば、AさんとBさんに黒電話をかけて会話をしばらくする。でもどちらかはAIで、電話をした後に「どちらがAIですか」と質問して判断できなかったら、そのAIは人間と同等の知性を持つとされる。そういったテストだ。 さて、現代においてAIは驚くほどの言語能力を身につけた。一昔前のような機械的対話ではなく、パッと見ればあまりにも人間的だ。 ところが、その現代においてもおおよそ「これはAIだな」と判断できる何かがある。よほど丁寧に監修しない限り、AI成果物というのはすぐにわかる。実際にお仕事の依頼文をチーム内で共有した際、口を揃えて「これはAIっぽいよね」と判断されることがある。 その違いは何かかといえば、おそらくは受け取り側の技能が影響しているんだろう。目利きの感覚に近いが、たとえば宇宙工学に関するAI生成資料を読んで「AIっぽいな」と判断できるのは、宇宙工学に精通している方々だろう。 チューリングテストはAI側の知性のテストだが、現代においては「黒電話で応答している側の知性」のほうが問われるテストになりうる気配がしている。たとえば面接とかでもチューリングテストじみた対話をしてもらって、その上で「人間を当てられたら一次面接突破」という具合にね。 反転的チューリングテストとでもいうかな。
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