イオリンの手紙

瓶詰めの紙切れ

売り上げに寄与しなくても

桜井政博さんがゲームデザイナーズ大賞におけるコメントでとても印象的なことを仰っていた。曰く、独創性というものは売り上げというモノに対してはあんまり影響がない。だが独創性といったものを失った業界はゆるやかに落ちていくのだ、と。 こういった言葉を桜井さんのような業界を代表する実績を持つ方が言ってくれているということに、僕はゲーム業界の未来を少し感じた。これはあくまでただの授賞式における審査員コメントであって、そこには裏付けもデータもない。ただ、桜井さんのような方が確信を持ってそう発言していること。それ自体が僕にとっては希望で、羨望に近い。 僕は自分に対して独創性のようなものを感じることはほとんどない。まあ独創性というものは自分で認識するものでもないのだろうけれど、それにしたって僕は「課題解決」をする人間だから、独創性で勝負していない。 とはいえ、売り上げに直接的に寄与する部分だけに焦点を当てる人間でもなく、優先度が低いだろう事柄に対して重要性を見出す人間だ。たとえば小さなトラブルシューティングにおいても、数値上は大したことなくても「すぐ直します!」と判断することが、数値以上の意味を持つと確信している。 先日、友人と話した時に「このメニューのアイコン絵文字に被りが生じていることが許せない」という話題を出した。それは身内向けの画面だし、そこを直すことは売り上げ、数値上の意味はほとんどないだろう。でもそこを整備することが、僕にとってはとても大事なのだ。 まあ、そういったところの完成度を上げられない人間が、いざ客前に出す商品で完成度の高いことができるのかね、という思いもあるけれどね。
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